👺 天狗の話・武道(呼吸合気)の理想

 夢に天狗が現れた。
 鬱蒼とした森の中、滝の前で剣を振っている。気が付くと、天狗が枝から見下ろしている。
 言葉が心の響いてきた。

『 技は無形を理想とす。合気の技は呼吸技である。相手の呼吸を外し、体勢を解く。それが出来れば敢えて投げる必要はない。相手は自ずから下に落ちて行く。
 そなたは、まだまだ先が遠いな。』

 技の無い合気道というのは、あり得るのだろうか。

『 相手に触れた瞬間、相手の呼吸を外す。向き合った時、既に相手の呼吸は外されている。それが究極の武道。』

 開祖、植芝翁の技が可能性を開花させ、今や多くの師範方が夫々に技を極め、数え切れない程に多くの技を現わしている。しかし弟子たちは 、互いに自らの師匠が確立した技を比較し、優劣を競う。しかし、優劣とは別の世界がある。
 呼吸投げ、小手返し、等の技は無形の技へ至る階梯である。技を通して呼吸を学び、そこから更に自己を習う。自他が分離する表層意識の向こうに、自他一体の心を見る。これが呼吸合気の目指す、遥か彼方の目標である。

 さてさて、天狗さん、なんと思召すか。

『 理想は良いが、お前にそんなことが出来るのか。身の程知らず ‼ 👺

The skills of the founder, Ueshiba Morihei, had a lot of possibilities. Now many Aikido teachers have mastered the skills and show countless techniques. The disciples of each master compare with each othoer the skills established by each master, and compete for superiority and inferiority of the techniques. However, there is a different world beyond superiority and inferiority.

Techniques such as Kokyuunage, Kotegaesi, etc. are ladders that lead to ideal skills without form. Learn to breathe through techniques, and learn more about yourself through the practice. Beyond the spuerficial consciousness in which self and others are separated, we see the mind of unity with self and others. That is the goal of Kokyuu Aiki.